こんにちは。先月のお話ですが輪島市朝市被災地区(輪島市河井町)に行ってきました。
と言っても震災が起きてから踏み入れることはありませんでしたが、
6月4日に弊社が加盟している
(一社)日本自動車リサイクル機構(以下JAERA)本部より1本の連絡が入り
当時、中部・北陸ブロック長を担っておりと言っても6月20日で任期満了となり時期ブロック長へバトンタッチする残り2週間の出来事でした。
写真:被災状況2024.6.11ドローン撮影(弊社提供)
震災当初、即座にJAERA本部では対策本部を設置し地元石川県でも支部内で万が一の為に
支部会員事業社内で被災車両集積場を設置しておりました。
半年経った後に突然の電話。そこからというものは目まぐるしく今日まで来たことは間違いありません。すぐに日程を調整し輪島市、東京へと何往復したことやら。
写真:蓮江寺敷地内集積場所6/28撮影
環境省、輪島市から呼び出され状況経緯を説明され
その場で「YesかNoか」を待った無しで返答を求められ「Yes」しか答えられない状況。
公費解体対象となったのは朝市地区だけで82台
全焼失車両が80台元日から半年が経ち、先ず行ったのは被災車両の車台番号調査。
条件ははっきり言って最悪でした。
写真:石川支部会員による調査7/2撮影
損傷が激し過ぎる。火災の熱が入りすぎて溶損、海の真横ともあり塩害損傷。
ちょっと触っただけでボロボロと崩れ落ち
写真:石川支部会員による調査7/2撮影
支部内から派遣した調査員もほぼお手上げ状態でしたが、根気強く調査したおかげで全車両の所有者が輪島市、自動車リサイクル促進センター(JARC)他のご協力によって割り出せることに成功いたしました。調査の合間にも公費解体にあたっての法整備、確認事項が数えきれない程の課題、突き付けられたのは「前例が無い。東日本大震災とは全く違うスキームとなります…」と言われ、全国各地にいる同業者様に連絡し資料となるものをひたすら集め。
今思えばよく出来たなって後に思いました。被災地域に入る度、訳の分からないメディア、マスコミ、違法ドローン撮影等が不法潜入し作業を邪魔されたのは今でも忘れません。
文句言うと何をされるのか分からないので見て見ぬふりをするしか無かったです。
立ち入り禁止区域を警備していた方々は地元被災された方々でした。漁業、海女さんが殆どで漁に行けず仕事を失い行く所も無く今の仕事で食い繋ぐしかないとおっしゃってましたが、私達が行く度に明るく接してくれたのが印象的でした。この人達のおかげで所有者などが判明した車両も沢山あり普段からの「横の繋がり」の大切さも教わりました。
写真:蓮江寺集積場車輌搬入完了8/14撮影
漸く、準備が整い石川支部有志が集まり8月27日から30日迄81台引き揚げる作業になりました。丁度、台風10号が直撃予想も出て日程調整も難しい判断をする必要も出てきてどうなるかと思いましたが、支部有志の機転、其々が役目を果たして下さり4日間で引き揚げ完了となりました。
写真:車輌引揚重機による整形作業8/28撮影
守衛さん曰はく、大型トラックに次々と車がパズルの様に積み込まれその4日間は守衛さ達の中で話題になっていたと聞かされました。
写真:運送トラック積み込み搬出8/28撮影
写真:被災車両引揚完了8/30撮影
こんな事は二度と起きてはならないと願ってますが、今後南海トラフ地震などで同じ様な事例が起きるかもしれません。その時の為に報告書などを代表して作成しており。
後日輪島市を訪れた後、他の市町村を廻ってきました。
正直、メディアではまだ出ていない事も沢山目のあたりにしました。
恐らく輪島朝市地区が今回発生した大震災の「復興のシンボル」になるんだろうなと私個人的に推測しておりますが、ここに限らずいち早く復興出来ることを祈念致します。
最期の写真は今回被災車両集積場を提供していただいた「輪島市蓮江寺」の敷地です。
6月に来た時はまだ焼け落ちた状態でこの場所がどうやって集積場になるんだと思っていましたが。
引き揚げ作業中守衛さんが教えてくれたのですがお寺に祭られていた仏様が敷地内隅に飾られてました。相当な熱量に見舞われ半分焼け落ちた姿でしたがきっと私達の作業を見守って下さり、誰一人怪我人無く作業を出来た事に深く感謝いたします。
写真:作業現場隅に祀られていた仏様(蓮江寺にて)8/30撮影
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